2012年7月5日木曜日

フォークとナイフ


その昔、ン十年前、英語学校に通っていた頃、先生が西洋文化や習慣について教えてくれる時間があった。その中で「フォークとナイフの使い方」の一コマがあった。使い方というと大げさで、そんなの私たち日本人も知っているよ、と思ったが先生が言わんとしたことは、アメリカ式とヨーロッパ式の違い。
先生はフォークとナイフを持ってきて、黒板の前にそれらを手にして見せてくれた。
「アメリカ式はね、最初にフォークとナイフをもって、ナイフで全部切っちゃうの、そしてその後、左手に持っていたフォークを右に持ち替えて、右手で食べるのよ、でもヨーロッパでは持ち替えずにナイフとフォークを両方の手で持ったまま、左手のフォークで食べるの」と。

実際に欧州人は確かに持ち替えずに両方の手を使って最後まで食べる。昔は米国式の方が簡単だから、私も持ち替えて食べていたが、欧州に住んで、欧州の夫を持つことで自然と両手を使うようになった。

しかし最近、この両手を使うフォークナイフがとみに面倒になっている。西洋人は子どもの頃から使っているので、小さな豆や細かく刻んだものでもナイフで丁寧に寄せてフォークに上手にのせて食べる。不器用な私はこれが結構苦手なのである。結局、拾いきれない小さな食べ物を残すことがある。面倒になると切る必要のないものは右手にフォークを持ちかえて米国式になってしまう。つまらないことだが、私には結構、厄介な問題になりつつある。

というか、いっそう、全部箸で食べたいと思うのことが多くなった。やっぱり年取ったのかな・・・