2011年11月26日土曜日

オペラに長靴?


うちの近くのCape Otway という所に灯台がある。オーストラリアで最初に作られた灯台。南オーストラリアのバス海峡は荒い海で、英国からやってきた多くの移住船は難破した。それで、陸を示す明かりが必要になり、その昔に灯台が建てられた。

何の話かと言うと、この歴史的な灯台のふもとで、「オペラ」が開催されることになった。もちろん、野外で、灯台と美しいパス海峡を見て、音楽を聴くという興行。予定では写真のような感じで催しされるはずだった。

ところが当日は大雨、どしゃぶりと強風。とても灯台のふもとでオペラなんていうどころでない。主催者は場所を隣町の学校の体育館に変更した。体育館とはちょっと興ざめ、灯台ときれいな海を見てオペラ鑑賞をできなかったのは残念だが、とてもよい音楽を鑑賞できた。

 
前座は、The Stiletto Sisters' というメルボルンベースのジプジーミュージック専門の女性バンド。ブタペストにもいた人たちらしく、東欧の雰囲気満開だった。このグループ、かなりお奨め。

 
  
会場は満席。椅子が足りなくなると、わらをどこからか持ってきて、それに座って鑑賞している人もいた。さすが、田舎は知恵を絞って活用する資源がたくさんある。


大雨だったので、実は私たちはいわゆるゴム長靴を履いてきた。オペラに長靴で来た人は多分、私たちだけだろう。まったく、恥も外見もあったものじゃない・・・



 私の隣に座った人は、「オペラ・ゴーアー」といういわゆるオペラフェチ。黒ずくめのスーツに黒い帽子をかぶった団体がいた。彼らの靴はきちんと磨かれた革靴、そして正装。この差、大きい。正直、やっぱり私は恥ずかしかった・・・

オペラの管弦楽団はステージのふもとでなく、ステージ上で演奏、観劇ではなく、あくまでも歌の披露で、4人の男女のオペラ歌手はすばらしい歌声を披露してくれた。

田舎にオペラ、オペラに長靴・・・ なかなかの体験であった。

2011年11月18日金曜日

こだわりの仕方


メルボルンのボロ屋敷を改修するために、近くの建具屋に足を運んだ。建具屋と言っても日本とはちょっと異なる趣き。要は、古い窓(枠)やドアを売る専門の店。


古い物の愛着を持つ人は、限りなく昔様式のものを追求する。日本ではまず考えられない。古い様式の家でも窓や扉がこわれたら、日本では新しいものに交換することはあっても、中古の昔風の窓や障子などを探して取り付けたりすることはまずない。オーストラリアや欧州の人の古いものへのこだわりは、日本ではありえないことだと思った。


こんなどこにでもあるような古い窓も443ドルもする。サッシにしたほうが安いんじゃない?


ちょっとしたデザインが入ったドアだと1330ドル。これが100年物とかになるとケタが一つ増える。こんな古い建具が山となって売っている。この店はもう数十年も営業をしているので、明らかに顧客がいてビジネスが成り立っているのだ。私たちは結局何も買わず、店を後にした。


帰りにスーパーに寄って、晩御飯の買い物をする。初めて買ったカンガルー肉。焼きすぎると硬くて歯が立たないが、レアからミディアムにすると、それなりにおいしくできた。ものは試しというレベルの食べ物・・・

2011年11月6日日曜日

フッティーは宗教?

オーストラリアには、「オージーフットボール」、俗に「フッティー」と呼ばれる競技がある。世界的にはあまり知られていないが(私もこの国に来るまでこの競技の存在は知らなかった)、オーストラリア、特にビクトリア州をはじめとして南部や西部の州では盛んである。サッカーやクリケット以上に人気があり、国技といっても過言でない。ルールは、サッカーとラグビーを混ぜ合わせた感じで、とにかく飛んだり跳ねたり、動きの激しい競技で、最初はなぜかこっけいにさえ見えた。
ビクトリアに住む人は皆、どのチームのサポーターかを決めねばならない。私もどこのチームかを何度か聞かれた。「そんなの知るか・・・」と心で思いつつ、笑いながら「まだこの国に来たばかりなので検討中です・・・」とお茶を濁していた。

1ヶ月ほど前に今期の決勝戦があった。コリンウッドとジーロン・ キャッツの対戦。最初の5分だけテレビで観戦してから、飽きてしまい最後まで見ることはなかった。結果はジーロン・キャッツの勝利。

うちのお隣のマークとロズはジーロン・キャッツのサポーター。とにかく週末は応援にでかけるため忙しく家にいない。で、今年はジーロンが優勝したので歓喜極まり、「この1年のお礼」ということで、先週末に隣人を集めてお祝いのバーベキューが盛大に開かれた。私たちはどのサポーターでもないのだが、まあとりあえず、どんな様子なのか興味あるので顔をみせることになった。

皆がフッティーの話に花が咲いているときに、私はついていかれないのでバーベキュー係りになってしまった。

ロズちゃん、もう嬉しくて酔っ払って、最高の気分。
彼女は英国人なのだが、やっぱり10数年前にオーストラリアに住み始めたとき、フッティーを見て変なスポーツと思い、2-3年は興味がなかったらしいが、今では猛烈なファンになっているそうだ。

祭りの終わりに、ジーロン・キャッツの応援歌をマークとロズが歌って、お開きになった。
最後にマークから「君はもうジーロンのメンバーだからね」と言われてしまった。
フッティーはオージーの宗教、そして私はこの宗教に入信させられてしまった。
これからは少しずつ時間をかけて、ルールを勉強してみようかな・・・