うちの近くのCape Otway という所に灯台がある。オーストラリアで最初に作られた灯台。南オーストラリアのバス海峡は荒い海で、英国からやってきた多くの移住船は難破した。それで、陸を示す明かりが必要になり、その昔に灯台が建てられた。
何の話かと言うと、この歴史的な灯台のふもとで、「オペラ」が開催されることになった。もちろん、野外で、灯台と美しいパス海峡を見て、音楽を聴くという興行。予定では写真のような感じで催しされるはずだった。
ところが当日は大雨、どしゃぶりと強風。とても灯台のふもとでオペラなんていうどころでない。主催者は場所を隣町の学校の体育館に変更した。体育館とはちょっと興ざめ、灯台ときれいな海を見てオペラ鑑賞をできなかったのは残念だが、とてもよい音楽を鑑賞できた。
前座は、The Stiletto Sisters' というメルボルンベースのジプジーミュージック専門の女性バンド。ブタペストにもいた人たちらしく、東欧の雰囲気満開だった。このグループ、かなりお奨め。
会場は満席。椅子が足りなくなると、わらをどこからか持ってきて、それに座って鑑賞している人もいた。さすが、田舎は知恵を絞って活用する資源がたくさんある。
大雨だったので、実は私たちはいわゆるゴム長靴を履いてきた。オペラに長靴で来た人は多分、私たちだけだろう。まったく、恥も外見もあったものじゃない・・・
私の隣に座った人は、「オペラ・ゴーアー」といういわゆるオペラフェチ。黒ずくめのスーツに黒い帽子をかぶった団体がいた。彼らの靴はきちんと磨かれた革靴、そして正装。この差、大きい。正直、やっぱり私は恥ずかしかった・・・
オペラの管弦楽団はステージのふもとでなく、ステージ上で演奏、観劇ではなく、あくまでも歌の披露で、4人の男女のオペラ歌手はすばらしい歌声を披露してくれた。
田舎にオペラ、オペラに長靴・・・ なかなかの体験であった。