このクリスマス休暇はビザの関係で近隣国のバリ島かニュージーランドあたりに出国する予定であったが、移民局から特別に「ブリッジ・ビザ」というのが発給され(ラッキー!)、引き続き留まれることになり、年末年始はオーストラリアにいることになった。
7月の上旬にダウンアンダーに来てほぼ半年。怒涛の日々だった。田舎の家を居住可能にするための準備や設営、そして家のメンテなど、奔走に明け暮れた。最初は寝袋とエアマットレスでほぼ野宿状態からスタートした家はそれなりに格好がついてきた。まだダンボールの箱は所々に積んであるが、それはもう少し時間をかけて片付けるようにしよう。
今日はクリスマス。パリでは町に取り残されて一人で過ごす友人を招いてクリスマス・ディナーをやったが、田舎ではそんな人はいない。ほとんどの人は家族とともに過ごす。今年はそんな友人たちもいないので私たち二人だけのクリスマス。気温25度。やっぱりクリスマスは寒くないとあのワクワク感が全く生まれない。
オーストラリアに住み始めるまではなぜかこの国がそれほど好きになれなかった。正直、この国に移住するということに落ち込んだ時期もあった。特に欧州に住んでいると、文化や歴史に乏しい国はつまらなく、退屈に感じる。また食べ物文化もたいしたことない。世界の中心からすごく遠く離れているようにも感じて、自分も一緒に取り残されていくような不安感もあった。
でも住み始めて少しずつこの国を知るようになり、自分なりにこの社会に溶け込んでみようという気持ちが涌いてきた。そうすると、ここに住むのがそんなに苦でなくなった。歴史は浅いけど、ユニークなオーストラリアの文化は確固として存在する。オージーマインドが少しずつ自分の中に入り込んで消化し始めている。
大好きとはまだ言えないけれど、自分の人生の一部になりつつある国。そんな所の暖かいクリスマスで、いつもとは違う思いをめぐらした。