2012年10月10日水曜日
社会的企業
メルボルンの家の近所に最近発見したユニークなカフェ「Streat(ストリート)」。
もう1年以上この近辺を練り歩いていたにも拘わらず地味な入口のせいか全くここの存在を知らなかった。たまたまうちに出入りしていた業者のおじさんからこのカフェの存在を聞いたのでMon mariと行ってみた。
簡単に言うとこのカフェはホームレスを支援している。支援と言ってもお金や物を寄付するのでなく、ホームレスの人たちを雇用して、そこで職業内訓練(On the job training) をする、いわゆる社会的企業(Social Enterprise) と称される事業である。
現在、メルボルン市内に3店舗ある。各店舗には資格のあるシェフが常勤し、雇用したホームレスに対して、調理からサービス、経営の面まで指導している。
ホームレスと一口で言ってもいろいろな人がいるが、基本的には若い人たちを優先するようである。彼らに技術を身につけさせて自立を促進することで自信を持ち、ホームレスの環境から抜け出せるように支援するのである。
で、そのカフェだが、ホームレスによる食事?なんて聞くとたいしたことないように思えるかもしれないが、これが意外、そんじょそこらのカフェよりずっと内装もおしゃれで、メニューも創作料理顔負けの食事が並んでいる。コーヒーも独自で焙煎し、日替わりで世界中の豆が提供されている。
私が注文したのは、味噌味豆腐乗せのサラダ。みかけより珍味で美味だった。お値段も15ドル前後でしっかりと利益が出るような価格設定である。
ここで働いている人たちは4-5人くらいで、最初に行った時は全員若い男性だったが、二度目は女性も交じっていた。腕に派手なタトゥもある人やパンク調カラーのヘアダイをしている人もいて、普通のお店なら絶対に雇用されない人たちだろう。 ただしホームレスと言っても路上生活者ではないようで、多分、シェルターなどに居住しているのだろうか、きちんと清潔的なみなりをしている。
受け入れる社会や人々がなければホームレスから抜け出ることは容易ではない。特に未来のある若い人たちを支援して貧困の悪循環を断ち切ることは大切である。
こういう活動が日本や世界のあちこちにできるといいのに・・・
Streatの情報はここから見られます。もしメルボルンに来ることがあったら、ぜひ立ち寄ってください。