2012年4月20日金曜日

さらばコルク その2

 

以前、オージのワインのほとんどはコルクから脱出して、スクリューに変わっているという話をした。

昨晩、お隣のロズちゃんがご飯を食べに来たので、スパークリングワインを買ってきたみんなで飲むことにした。開けようとして驚き! え、あれ、コルクじゃない・・・? 
ロズちゃんもMon mari も私もノン・コルクのスパークリング・キャップは初めて見て、驚き桃の木、山椒の木。

まずどうやって開けるの・・・?という疑問から。
恐る恐る真ん中の赤いところを押すと、ものすごい勢いでキャップが飛び出して飛んで行った。手でしっかり押さえなければいけなかったのね。


飲んだ後はまたキャップを力強く押し入れて、真ん中の赤いボタンがポンと上がると、飲みきれなかった分は炭酸が抜けることなく、翌日まで保存できるというわけだ。
技術のイノベーションと環境への配慮。
でも、フランスのシャンパンはこのような技術は絶対に取り入れないだろうな~。
伝統のシャンパン地方はコルクが命です・・・ なんて。
 

2012年4月16日月曜日

寿司、そしてまた寿司・・・


日本食、特に寿司は世界的なブームで、どこの大都市に行ってもお目にかかれる。
昔、パリにいたころ、意味不明な寿司屋の話をしたが、 ここメルボルンでも意味不明な寿司ネタをよく目にする。

メルボルンの中心地、Cityにはテイクアウトの寿司屋が軒を連ねている。ほとんどが中国人経営者の店。
ここ、コリンズトリートのオフィスビルにある「Rush Suchi (超特急寿司)」というテイクアウトの店には、昼時に多くのビジネスマン・ウーマンたちが押しかけている。売っているのはにぎりより太巻きが多い。客はサンドイッチ感覚で太巻きを2-3本買って、手でつかんで食べながら歩いている人もいる。


カリフォルニア巻やサーモン巻などもあり私も時々食べるが、エビフライ巻とか牛肉カルビなど意味不明なネタはさすがに買って食べようとは思わない。
大食のオージーに合わせて、ボリュームとリッチさで勝負、というのだろうが、やっぱり寿司に肉類や揚げ物を入れるのは邪道というより、正直言って気持ち悪い。

それにしても、この世界的な寿司ブームは、日本人でなく中国人が普及してくれて知名度を上げている面も大きい。でも不思議なのは彼らは韓国料理店はほとんど出していない。海外では韓国料理は韓国人が、中華料理のほとんどは中国人、日本食は日本人、中国人、韓国人が競い合って作って売っている。ベトナムやタイ料理はよく中華料理店のメニューでもある。
そのうちに中国人はイタリアンとかケバブの店とかも始めるんじゃないなか・・・?
日本人も海外で日本独特の繊細な味の中華とか韓国のテイクアウトとかどんどん出せばいいのに・・・・なんて。

2012年4月10日火曜日

コミュニティの資金集め


うちから海岸の向かう途中にテニスコートがある。
古いコートできちんとメンテもされてなかったのでテニスをする人はあまりいない。
ということでコートはテニスより、コミュニテイの活動に使われる。
例えば、コミュニティの盆暮れの親睦パーティ、その他木の下で住民ミーティングなども行われる。
途上国のコミュニティでもよく屋外で住民集会をすることがあるが、どこの国でも田舎というのは同じなんだなぁ。

コートは2面のコンクリートで、一面は何とか使えるが、もう一面はひび割れが入っており修理が必要。そしてコートを囲む杉の木が育ちすぎて、フェンスを破壊する恐れと山火事の際の問題で剪定しないとならない。
そんなこんなんで、結構な資金が必要になった。県の政府にも資金獲得の交渉をしているが、思ったように額が集まらない。

こういうときに、住民はいろいろな知恵を出し合う。
今回はイースター休暇にランチ屋台を出すことにして、ビーチでキャンプしている観光客や地域住民に呼びかけて、資金集めという名目で屋台ごはんを有料で食べにきてもらった。



私とMon mari も屋台班のメンバーになった。Mon mari はソーセージと玉ねぎを炒める係り、私は接客係り。
献立ては、食パンにソーセージをのせたオージ風ホットドッグ(こちらではSousage Sizzleという)、春巻き、チャーハン、太巻き、スイーツなどを持ち寄って売った。勿論私は太巻きを持参。

ここのコミュニティにインドネシアの女性、リスダがいる。ジャカルタ出身の元気なオラン・バタウィ。チャーハン、春巻き、マフィンなどを山と作ったきた。村では彼女と私だけがアジア人、というか非白人人種。なので、常日頃から仲良くしている。やっぱりアジア人とはアウンの呼吸で通じ合うものがあって、一緒にいてホッとする。


お客から注文を受け、食べ物を盛って渡す。単純な仕事だけど、結構難しい。まず、注文を3つくらい受けると、全部を覚えられない(やっぱり年齢のせいで、記憶力が鈍っている・・・)そしてお金の計算。キャッシャーは別の女性がやったが、それでも客の注文をキャッシャーに伝えなければならない。飲食業って本当に大変だなぁとあらためて認識した。

終わったときは、ぐったり・・・
でも、結構な売上げがあって、テニスコートの整備資金の一部に充てられそう。よかった、よかった・・・

2012年4月4日水曜日

誰の資源なんだろう?


今日の晩、ピザを食べながら見た番組のこと・・・
西アフリカに位置するシオラレオネ。最貧国の一つ。長い期間の内線から脱して、何とか国が安定し始めている。多くの人は大西洋に面した沿岸の村に住み漁業で生計を立てている。

番組はとある村に住む男性、イシュマエルとそのいとこ、カバの漁を取材していた。
彼らは小さなカヌーで沖まで出て魚を捕る。強い風が吹くとレジ袋で作ったお手製プラスチックマストでコントロール。荒い波が来てもこれで何とか沖まで行かれる
彼らのカヌー漁は商業用でなく、自分たち家族のその日の食料のため。
しかしこの日は、小さな魚一匹しか釣れなかった。妻や子どもが待っているのに今晩のおかずはほんのわずか。

この大西洋の沖合は魚の宝庫なのだが、イシュマエルやカバたちはその資源をほとんど手に入れることができない。
何故?

それは外国のトロール船が来て、底引き網でごっそりと魚を持って行ってしまうから。
ヨーロッパだけでなく、最近は中国のトロール船までも来て、乱獲が続いている。彼らが捕る魚はリッチな先進国や新興国の人たちの食卓に乗る。私たちもその一人。
本来、魚の宝庫の地域は5マイルは保護領域なので、操業が禁止されているが、そんなのは完全無視。違法操業が後を絶たない。

シオラレオネではまだ海上監視船などがなく、違法操業を取り締まったり、自国の漁民の利益を守るシステムがない。

世界の貧困を何とかしようと言っている自分たちが日々口にしている食べ物は貧しい人の犠牲の上に立っていることもある。何という皮肉か、そして資源の分配の不公正・・・

主の祈りの中で、「今日の糧をお与えください」というくだりがあるが、そんなことを神に求めることすら罪と感じてしまう。これからは魚を食べるときは、神だでなく、貧しい人たちへも感謝と懺悔をささげなければならないと思わされた番組だった。