2012年4月4日水曜日
誰の資源なんだろう?
今日の晩、ピザを食べながら見た番組のこと・・・
西アフリカに位置するシオラレオネ。最貧国の一つ。長い期間の内線から脱して、何とか国が安定し始めている。多くの人は大西洋に面した沿岸の村に住み漁業で生計を立てている。
番組はとある村に住む男性、イシュマエルとそのいとこ、カバの漁を取材していた。
彼らは小さなカヌーで沖まで出て魚を捕る。強い風が吹くとレジ袋で作ったお手製プラスチックマストでコントロール。荒い波が来てもこれで何とか沖まで行かれる
彼らのカヌー漁は商業用でなく、自分たち家族のその日の食料のため。
しかしこの日は、小さな魚一匹しか釣れなかった。妻や子どもが待っているのに今晩のおかずはほんのわずか。
この大西洋の沖合は魚の宝庫なのだが、イシュマエルやカバたちはその資源をほとんど手に入れることができない。
何故?
それは外国のトロール船が来て、底引き網でごっそりと魚を持って行ってしまうから。
ヨーロッパだけでなく、最近は中国のトロール船までも来て、乱獲が続いている。彼らが捕る魚はリッチな先進国や新興国の人たちの食卓に乗る。私たちもその一人。
本来、魚の宝庫の地域は5マイルは保護領域なので、操業が禁止されているが、そんなのは完全無視。違法操業が後を絶たない。
シオラレオネではまだ海上監視船などがなく、違法操業を取り締まったり、自国の漁民の利益を守るシステムがない。
世界の貧困を何とかしようと言っている自分たちが日々口にしている食べ物は貧しい人の犠牲の上に立っていることもある。何という皮肉か、そして資源の分配の不公正・・・
主の祈りの中で、「今日の糧をお与えください」というくだりがあるが、そんなことを神に求めることすら罪と感じてしまう。これからは魚を食べるときは、神だでなく、貧しい人たちへも感謝と懺悔をささげなければならないと思わされた番組だった。